前立腺肥大症

症状

Symptom

  • おしっこの勢いがない
  • トイレの回数が多い(頻尿)
  • 夜中に何回もトイレへ
  • おしっこが出づらい
  • 急な尿意
  • おしっこが出ない

前立腺肥大症とは?

前立腺は男性にしかない器官の一つです。

前立腺から作られる前立腺液は、精子と混ざることで精子の運動を活発にします。

前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。

前立腺の真ん中を尿道が貫いているイメージです。

前立腺肥大症

前立腺肥大症はその名の通り前立腺が大きく肥大している病気です。

厳密にいえば尿道に接する前立腺の内側(内腺)が肥大します。

これにより様々な排尿に関する症状が出るのです。

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症の検査は?

1.質問票

質問票で症状をチェックします。

治療前後でくらべることで、治療効果を判定することもできます。

重症度点数
軽症≦7点
中等症8~19点
重症≧20点

2.残尿測定検査

残尿測定検査についての説明

おしっこをした後、

どれくらいの尿が膀胱の中に残っているか(残尿量)を測定します。

前立腺肥大症の患者様は1回でおしっこを出しきることができません。

残尿量≧100ml

であれば治療開始をおすすめします。

飲み薬(内服薬)の治療を開始後も、定期的に残尿量をチェックします。

3.超音波検査

下腹部に超音波をあてることで前立腺のサイズを測定します。

痛みはありません。

前立腺肥大症の目安

軽症:20ml未満

中等症:20~50ml

重症:50ml以上

一般的には前立腺が大きいと症状が出やすいです。

しかし、前立腺が小さいからといって無視してよいものではありません。

感じている症状が生活のさまたげになるのであれば治療をおすすめします。

4.尿流量測定検査

おしっこの勢いを測定します。

専用トイレで排尿をするだけです。

次のことがわかります。

測定項目

  • 1回のおしっこの量(尿量)
  • おしっこの勢いの最大速度(最大尿流率)
  • おしっこの勢いの平均速度(平均尿流率)
  • おしっこにかかる時間(排尿時間)
  • おしっこが出ている時間(尿流時間)

「おしっこを出す力」

を数値化できます。

通院中も定期的に測定して、どの程度改善してきたかをチェックします。

5.PSA検査(採血)

前立腺がんを調べる採血検査です。

前立腺肥大症と前立腺がんは別物ですが、どちらも50歳以上の男性で注意が必要です。

前立腺がんは早期発見で根治を目指すことができます。

PSA値≧4ng/ml(基準値)

基準値以上は詳しい検査をおすすめます。

基準値未満であっても1~2年に1回の測定をおすすめしています。

6.尿検査

尿検査では前立腺肥大症以外の病気がひそんでいないかを調べることができます。

尿が汚れている場合(尿路感染症)は抗生剤が必要になります。

前立腺肥大症の治療法は?

1.飲み薬(内服薬)

尿道をひろげる作用のある薬を飲んでいただきます。

薬の作用で尿道がひろがり、おしっこがスムーズに出るようになります。

さらに膀胱に残ってしまう尿(残尿)が少なくなり、トイレの回数もへります。

2.手術

前立腺肥大症は手術で良くなる可能性もあります。前立腺を医療用のレーザーでくり抜くか蒸発させます。

手術後は尿道が大きくひろがるので、尿の勢い改善が期待できます。

手術をおすすめする患者様

  • 飲み薬だけでは効果不十分
  • 飲み薬をやめたい

手術は年齢や持病によっては安全にできないことがあります。

手術が適してそうな方、希望される方は手術可能な病院へ紹介します。

手術にはいくつか種類があります。

※TURP/HoLEP/ThuVAP/WAVEなど

病院によって実施可能な手術の方法がことなります。

希望される場合にはどの手術が1番適しているか一緒に相談して受診先を決めましょう。

3.自己導尿

ご自身またはご家族で尿道にカテーテル(管)をとおしてもらいます。

カテーテルから膀胱内にたまっているおしっこを出します。

カテーテルは清潔なものです。

とてもやわらかく身体に優しい素材なので尿道を傷つける心配も非常に少ないです。

自己導尿の詳しい方法はクリニックの医師または看護師が指導させていだたきます。

※コロプラスト社提供

4.尿道カテーテル留置

常にカテーテルを尿道へいれておく方法です。

カテーテルから出たおしっこは専用のバックに流れていきます。

尿道カテーテルの説明

自己導尿できない方はこの方法です。

長期間の留置は感染症をおこします。

そのため1カ月毎にカテーテル交換が必要になります。

当院でカテーテル交換可能です。

急性前立腺炎

症状

Symptom

  • おしっこすると痛い(排尿時痛)
  • おしっこが出にくい(排尿困難)
  • おしっこが出きらない(残尿感)
  • おしっこに血がまじる(血尿)
  • 発熱(37~39度)
  • ふるえがくる(悪寒)

急性前立腺炎とは?

前立腺に細菌感染を起こす病気です。

細菌(大腸菌など)は尿道から入り、尿の流れを逆行して前立腺までたどりつきます。

急性細菌性前立腺炎

通常は尿の流れによって尿道が洗浄され、細菌が逆行することを防ぎます。

しかし、前立腺肥大症などをお持ちの方は尿の勢いが悪く、細菌の侵入を許してしまいます。

また脱水でおしっこの量が少ない場合も細菌が侵入しやすくなります。

尿道カテーテルなどを使用されている方も感染のリスクになります。

性感染症(性病)のクラミジアや淋菌が原因になることもあります。

前立腺が細菌感染の炎症で腫れることで、尿の出ずらさや残尿感、痛みなど様々な排尿に関する症状がでます。

体内に細菌がはいることで、ガタガタ震えるような寒気(悪寒)をともなう発熱がでます。

症状が強い場合には入院での治療が必要になることもあります。

急性前立腺炎の検査は?

1.尿検査・尿培養検査

尿の中にばい菌(細菌)がいないかを尿検査でチェックします。

尿中に白血球(ばいきんと戦う細胞)がいる場合は感染をおこしています。

※厳密には菌がいない(無菌)の場合もあります

ばい菌がいる場合には、

  • どんな細菌がいる?
  • どんな抗生剤が効く?

を尿培養検査で調べます。

培養結果は1週間程度でわかります。

ポイント

  • おしっこの感染症の有無を調べる
  • 感染はおしっこの中に「白血球+」

2.残尿測定検査

残尿測定

おしっこの後、どれくらいの尿が膀胱の中に残っているか(残尿量)を測定します。

一般的に急性前立腺炎は前立腺肥大症の方が多いです。

そのため1回でおしっこを出しきることができないことがあります。

残尿が多いと細菌をスムーズに身体の外へ出すことができません。

その場合は前立腺肥大症のお薬を処方することもあります。

おしっこが自力で出せていない場合には、一時的に尿道カテーテルを留置します。

ポイント

  • 残尿が多ければ、前立腺肥大症のお薬も必要となる
  • 残尿が非常に多ければ、尿道カテーテルも一時的に留置する

3.採血検査

感染症の程度によっては飲み薬ではなく、点滴の抗生剤が必要になります。

さらに重症の場合には入院での治療が必要になることもあります。

ポイント

  • 採血で重症度チェック
  • ひどい場合には点滴治療
  • さらにひどい場合には入院

※入院が必要な場合には連携病院へ紹介させていただきます。

急性前立腺炎の治療法は?

1.抗生剤

前立腺に効果の高い抗生剤を処方します。

通常は飲み薬(内服薬)ですが、重症の場合には点滴の抗生剤が必要になります。

なかには抗生剤が効きづらい菌(耐性菌)をもっている患者様もいます。

その場合は通常の抗生剤では効果が出ません。

どのような細菌が原因かは尿培養検査でわかります。

2.前立腺肥大症のお薬

残尿量が多い場合には、抗生剤治療だけでは治りが悪いことがあります。

感染している汚いおしっこをスムーズに身体の外へ出す必要があります。

前立腺肥大症のお薬を飲むことで、おしっこの出(キレ)を良くします。

4.尿道カテーテル留置

常にカテーテルを尿道へいれておく方法です。

カテーテルから出たおしっこは専用のバックに流れていきます。

尿道カテーテルの説明

残尿量が多い方は感染が良くなるまで留置をおすすめします。

1~2週間を目安に抜去します。

長期間の留置は感染症をおこします。

そのため1カ月毎にカテーテル交換が必要になります。

当院でカテーテル交換可能です。

慢性前立腺炎

症状

Symptom

  • おまたの付け根に違和感/痛み
  • 陰のうのまわりに違和感/痛み
  • おしっこ残っている感じ
  • 下腹部に違和感がある
  • 射精時に違和感/痛み

慢性前立腺炎とは?

前立腺に慢性的な炎症が生じることで下腹部や会陰部(陰のうと肛門のあいだ)を中心に痛みや違和感、不快感など、様々な症状が出ます。

典型的な症状がないことが特徴です。

現時点ではっきりとした原因がわかっていません。

前立腺周囲の血流障害や自己免疫反応、感覚神経異常、ホルモンの異常(性・副腎)などが原因になっていると考えられています。

30~40代の男性に多い病気です。

「急性」の前立腺炎と違い、発熱や悪寒など全身症状はでません。

慢性前立腺炎の検査は?

1.尿検査・尿培養検査

おしっこの感染症(尿路感染症)があるか調べます。

尿路感染症でも似たような症状が出ます。

もし感染がある場合には抗生剤の治療が必要になります。

2.超音波検査

下腹部に超音波をあてます。

痛みはありません。

超音波で前立腺や膀胱を観察します。

また残尿量も調べます。

3.採血検査(必要に応じて)

男性は50歳以降から前立腺がんが増えます。

前立腺がんによる症状でないか調べることをおすすめします。

前立腺がんは採血検査(PSA検査)でチェックできます。

4.尿細胞診検査(必要に応じて)

膀胱がんで似た症状が出ることもあります。

尿に「がん」を疑う細胞がないか調べます。

通常の尿検査と同様に、おしっこを検査に出すだけです。

痛みはありません。

慢性前立腺炎の治療法は?

1.内服治療(セルニルトン

セルニルトンは植物成分由来の飲み薬です。漢方薬に似ています。

前立腺の炎症を改善、症状を緩和させます。

症状が改善したら内服を中止します。

2.抗生剤

尿路感染症が疑われる場合には一時的に抗生剤を飲んでいただきます。

3.前立腺肥大症のお薬

超音波検査で前立腺が大きい場合や残尿量が多い場合には前立腺肥大症のお薬を併用することもあります。

尿をスムーズに出すことで、炎症の改善をサポートします。

4.生活指導

慢性前立腺炎は次のことで出現、また症状が悪化します。

悪化する原因

  • 長時間のデスクワーク
  • 長時間の自転車
  • 長時間のドライブ
  • ストレス
  • 下半身の冷え
  • 飲酒
  • 喫煙
  • 睡眠不足
  • 疲労

これらに注意する必要があります。

症状の改善・悪化をくりかえすのが特徴です。

多くの場合は長い付き合いになります。

亀頭包皮炎

症状

Symptom

  • ちんちんの皮(包皮)が赤く腫れた
  • ちんちんの皮(包皮)が少し痛い
  • ちんちんの皮(包皮)がかゆい
  • 亀頭が赤くただれている

亀頭包皮炎とは?

亀頭包皮炎の症状

ちんちんの皮(包皮)や亀頭に感染がおきた状態です。

黄色ブドウ球菌や大腸菌、レンサ球菌といった健康な方でも身体に付着している菌(常在菌)が原因となることが多いです。

なかにはカンジダ菌というカビ(真菌)の一種が原因になることもあります。

包皮に傷がついたり、清潔な状態がたもてない場合に起こります。

まだ包皮の剥けていない子供真性包茎の方がなりやすいです。

感染症が悪化しやすい糖尿病の方も治療が難しいこともあり要注意です。

放置すると痛みや腫れがどんどん悪化していきます。

感染を繰り返すと包皮が狭窄して、おしっこが出にくい状態になることもあります。

亀頭包皮炎の検査は?

1.視診

診察室で患部を見せていただきます。

診察は他者にみられないようプライバシーの保たれた場所で行います。

多くの場合は見ることで診断がつきます。

2.尿検査・尿培養検査

おしっこの中にばい菌(細菌)がいないかをチェックします。

また患部の培養検査を出すこともあります。

亀頭包皮炎の治療法は?

1.抗生剤(ぬり薬)

皮膚についた微細なきずからばい菌(細菌)が感染をおこしている状態です。

ばい菌(細菌)を殺すために抗生剤をぬっていただきます。

感染がひどい場合には飲み薬の抗生剤もお出しすることがあります。

カンジダ菌などカビが原因の場合は抗真菌薬が必要になります。

処方例

バラマイシン軟膏 


1日2回朝夕 患部に塗る

2.清潔を保つ

可能であれば包皮をむいた状態で汚れをやさしく洗い流しましょう。

強くこすらず、シャワーの流水を利用すると良いです。

3.包茎手術

亀頭包皮炎は包茎の方によくみられます。

包茎手術をすることで包皮や亀頭周囲の清潔を保つことができます。

感染がひどい、また短期間でくりかえす場合には包茎手術も検討します。

4.糖尿病の治療

亀頭包皮炎は糖尿病の方によくみられます。

血糖値が高いと感染しやすくなるからです。

糖尿病がある方は血糖値のコントロールを相談します。

前立腺がん

症状

Symptom

  • 無症状
  • おしっこが出にくい
  • おしっこに血が混じる
  • 精液に血が混じる
  • おしっこすると痛い

前立腺がんとは?

前立腺の正常な細胞が「がん化」(正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に増殖してしまう)した状態です。

前立腺の説明

ゆっくり進行することが特徴です。

そのため早期に診断・治療を始めれば根治を目指すことができます。

前立腺がんの特徴

早期の前立腺がんは無症状であることが多いです。

尿道や膀胱から離れた前立腺の外側(外腺)にできるためです。

おしっこに血がまじったり(血尿)、痛みなどの症状がでた状態で発見された場合には進行している可能性が高いです。

進行した前立腺がんは他の臓器にも悪さ(転移)をします。

近くのリンパ節が多いです。

さらに進行すると肝臓にも転移します。

前立腺がんの検査は?

1.採血検査(PSA)

前立腺がん腫瘍マーカーにPSAがあります。

PSA値が高い場合には前立腺がんを疑います。

PSA≧4ng/mlで要精密検査です。

年齢によって基準値が多少変動します。

基準値
50~64歳 3.0ng/ml
65~69歳 3.5ng/ml
70歳~ 4.0ng/ml
年齢別基準値

2.尿検査

おしっこの感染症(尿路感染症)があるか調べます。

前立腺にばい菌(細菌)感染があると、一時的にPSA値が高くなります。

前立腺がんによるPSA値の上昇と区別する必要があります。

3.MRI検査

PSA値が高い場合にはMRIをとります。

MRIは前立腺をよく調べることができます。

現在は前立腺を5段階で評価する、PI-RADSスコアというものがあります。

PI-RADSスコア評価
1 がんの可能性が極めて低い
2 がんの可能性が低い
3 どちらとも言えない
4がんの可能性が高い
5がんの可能性が極めて高い
年齢別基準値

スコア4~5は検査入院を強くおすすめします。

4.前立腺生検(1泊2日または2泊3日入院)

前立腺がん検査(前立腺生検)の説明

前立腺に針を刺して、組織を採取します。

前立腺がんがの1番詳しい検査です。

麻酔薬を使用して検査中の痛みを軽減します。

寝ている間(静脈麻酔)に検査をする病院もあります。

前立腺がんが見つかれば「前立腺がん」の診断となり、治療を開始します。

前立腺生検は入院可能な提携施設または希望の病院へ紹介させていただきます。

前立腺がんの治療法は?

手術、放射線療法、ホルモン療法、化学療法などなど。

前立腺がんには様々な治療法があります。

前立腺がんの状態(ステージ)や患者様の状態(年齢や基礎疾患など)にあわせて最適な治療を選びます。

当クリニックでもホルモン療法を実施しております。

定期的なPSA検査もできます。

大学病院やがんセンターからのホルモン療法継続など、気軽にご相談ください。

血精液症

症状

Symptom

  • 精液に赤い血液がまじる
  • 精液がどす黒い
  • 精液が茶褐色になる

血精液症とは?

血精液症とは、精液の中に血液が混入している病気のことです。

精子は、精子をつくる精巣から出る際に、精子以外の細胞や物質が除去されます。

精巣に炎症や悪性腫瘍がある場合に、精子の中に血液が混ざります。

また精子は射精される前に前立腺の裏側にある精嚢(せいのう)まで移動します。

この精嚢で精嚢液と混ざりあい、さらに前立腺で前立腺液と混ざりあうことで「精液」となります。

精嚢液、前立腺液のおかげで精子が元気に動き回ることができるようになるのです。

そのため前立腺に炎症や悪性腫瘍がある場合にも、精液に血液が混ざることになります。

悪性腫瘍の可能性もあることから、精液に血が混ざる場合には必ず泌尿器科を受診しましょう。

血精液症の検査は?

1.尿検査・尿培養検査・尿細胞診

おしっこの通りみち(尿道)に炎症をおこすようなばい菌(細菌)感染がないかを調べます。

感染が疑わしい場合には、ばい菌(細菌)の種類を尿培養検査で調べます。

またおしっこの通り(尿道)に「がん」を疑うような悪性の細胞がないかを尿細胞診検査で調べることもあります。

2.採血検査(PSA検査)

採血でPSA値を測定します。

PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーです。

PSA値>4ng/mlで前立腺がん疑いです。

前立腺がんが原因で精液に血がまじることは多くはありません。

しかし、前立腺がんは50歳以上の男性で問題になります。

精液に血がまじった場合には念のためPSA値を測定します。

3.超音波検査

下腹部に超音波をあてて前立腺(~膀胱)を調べます。

精液の大部分は前立腺・精嚢の分泌物です。

前立腺に「血」を出すような異常がないかを超音波でみます。

4.MRI検査

採血検査で異常(PSA値が高い)があった、または超音波検査で前立腺に異常があった場合にはMRI検査をおすすめします。

MRIは前立腺を調べるのに適した検査です。

MRIは提携先病院へ紹介させていただきます。

血精液症の治療法は?

1.抗生剤(飲み薬)

ばい菌(細菌)感染が原因の場合には抗生剤を飲みます。

2.抗炎症剤(飲み薬)

前立腺の炎症をとる飲み薬を飲みます。

植物エキス製剤セルニルトンを使用します。

一般的に炎症がおさまるには時間がかかることが多いです。

陰のう水腫

症状

Symptom

  • 陰のう(たま)がはれた
  • 歩くと陰のうがすれる
  • 痛みはない
  • 赤くもない

陰のう水腫の検査は?

STEP
1

1.視診

診察室で患部を見せていただきます。

診察は他者にみられないようプライバシーの保たれた場所で行います。

2.超音波検査

患部に超音波をあてます。

痛みのない検査です。

陰のう水腫の治療法は?

1.陰のう穿刺

超音波検査で穿刺する場所を決めます。

大きさにもよりますが、約200ml程度の内容液を抜きます。

所要時間は15分程度です。

穿刺当日はシャワー、翌日以降は入浴可です。

クリニックで実施できるので気軽に相談ください。

2.手術

一般的に陰のう水腫は穿刺しても、数ヶ月でもとに戻ります。

手術で再発を防ぐことが可能です。

気軽にご相談ください。

手術をご希望の場合には連携施設へ御紹介させていただきます。

急性精巣上体炎

症状

Symptom

  • 陰のう(たま)がはれた
  • 陰のう(たま)が痛い
  • 陰のう(たま)が赤い

急性精巣上体炎とは?

急性精巣上体炎の説明

精巣上体は、男性の生殖器官である精巣の外側にあります。

精巣上体は精子の成熟・輸送・貯蔵などの重要な役割があります。

精巣上体炎は、この精巣上体内に細菌が入りこみ、感染がおこった状態です。

急性精巣上体炎の検査は?

1.触診・視診

陰のうを触ります。

どこが痛いか?どのように腫れているのか?

を確認します。

診察はプライバシーの守られた診察室で行います。

2.尿検査・尿培養検査

尿の中にばい菌(細菌)がいないかを尿検査でチェックします。

尿中に白血球(ばいきんと戦う細胞)がいる場合は感染をおこしています。

※厳密には菌がいない(無菌)の場合もあります

ばい菌がいる場合には、

  • どんな細菌がいる?
  • どんな抗生剤が効く?

を尿培養検査で調べます。

培養結果は1週間程度でわかります。

3.超音波検査

患部に超音波をあてます。

痛みのない検査です。

精巣上体が腫れていることを確認します。

3.採血検査

感染症の程度によっては飲み薬ではなく、点滴の抗生剤が必要になります。

さらに重症の場合には入院での治療が必要になることもあります。

ポイント

  • 採血で重症度チェック
  • ひどい場合には点滴治療
  • さらにひどい場合には入院

急性精巣上体炎の治療法は?

1.抗生剤

前立腺に効果の高い抗生剤を処方します。

通常は飲み薬(内服薬)ですが、重症の場合には点滴の抗生剤が必要になります。

なかには抗生剤が効きづらい菌(耐性菌)をもっている患者様もいます。

その場合は通常の抗生剤では効果が出ません。

どのような細菌が原因かは尿培養検査でわかります。

2.前立腺肥大症のお薬

残尿量が多い場合には、抗生剤治療だけでは治りが悪いことがあります。

感染している汚いおしっこをスムーズに身体の外へ出す必要があります。

前立腺肥大症のお薬を飲むことで、おしっこの出(キレ)を良くします。

尿道カテーテルを留置することもあります。

この記事を執筆した人

青木悠介
青木悠介
あきしま駅前泌尿器科内科 院長
日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
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